発音・アクセント / 発音記号と音のルール

よくある間違い

間違い1: /ɪ//iː/ をどちらも「イ」で発音してしまう

よくある誤答例

sit も seat も、どちらも日本語の「イ」を使って同じように発音してしまう。

なぜ間違いなのか

/ɪ/ は力を抜いて短く出す音、/iː/ は口を左右に強く引いて長く伸ばす音で、まったく別の母音です。この違いを無視すると、sit /sɪt/(座る)と seat /siːt/(座席)のように、意味の異なる単語を混同してしまいます。

正しい考え方

「イ」を1種類の音だと思わず、「短く力を抜く /ɪ/」と「長く強く引く /iː/」という、性質の異なる2つの音として覚え直しましょう。ship/sheep、sit/seat のような最小対語(ミニマルペア)で聞き比べる練習が効果的です。

間違い2: /æ/ を日本語の「ア」で発音してしまう

よくある誤答例

cat /kæt/ を、日本語の「キャット」のように、短く軽い「ア」で発音してしまう。

なぜ間違いなのか

/æ/ は、口を横に大きく開いて出す、日本語の「ア」よりも明るくはっきりした音です。日本語の「ア」(/ʌ/ に近い)で代用すると、cat のつもりが cut /kʌt/ に近い音に聞こえてしまうことがあります。

正しい考え方

/æ/ を発音するときは、笑うときのように口角を左右に引き、/e/ を発音する口の形に近づけたまま「ア」と言う、という意識を持つと、日本語の「ア」との違いが出しやすくなります。

間違い3: /θ/ /ð//s/ /z/ /d/ で代用してしまう

よくある誤答例

think を /sɪŋk/(sink)のように、this を /dɪs/ のように発音してしまう。

なぜ間違いなのか

日本語には、舌を前歯の間にはさんで出す音がないため、似ている別の音で代用してしまいがちです。しかし /θ/ /ð//s/ /z/ /d/ は調音点(舌を置く場所)が異なる別の音なので、代用すると別の単語に聞こえたり、聞き取りにくい発音になったりします。

正しい考え方

舌先を上下の前歯の間に軽くはさみ、そのすき間から息(/θ/)または声(/ð/)を出す練習をしましょう。鏡で舌の位置を確認しながら think・this・three・that などの単語で練習すると効果的です。

間違い4: /v//b/ で代用してしまう

よくある誤答例

very を berry と同じように発音してしまう。

なぜ間違いなのか

日本語には /v/ の音がないため、口の形が近い /b/ で代用してしまいがちです。しかし /b/ は上下の唇を閉じて開ける音、/v/ は上の歯を下唇に当てる音で、調音点が異なります。

正しい考え方

/v/ を発音するときは、上の前歯を下唇に軽く当て、そのすき間から声を出しながら発音する練習をしましょう。/f/(無声)との対で、fine/vine、fan/van のような単語で練習すると区別がつきやすくなります。

間違い5: 子音のあとに余計な母音を入れてしまう

よくある誤答例

strike を「ストライク」のように、milk を「ミルク」のように、それぞれの子音のあとに母音を入れて発音してしまう。

なぜ間違いなのか

日本語の音はほとんどが「子音+母音」のセットでできているため、英語の子音クラスター(母音をはさまない子音の連続)を発音するときにも、無意識に母音を入れてしまいがちです。strike は本来 /straɪk/ で、/s/ /t/ /r/ の3つの子音が母音なしで連続しています。

正しい考え方

子音を発音するときに、次に母音を続けなければならないという思い込みを捨てましょう。特に語末の子音(milk の /k/、and の /d/ など)は、母音をつけずにそこで音を止めるつもりで発音する練習をすると効果的です。

間違い6: /r//l/ を区別せずに発音してしまう

よくある誤答例

right も light も、日本語のラ行に近い、舌先が歯ぐきに軽く触れる音で発音してしまう。

なぜ間違いなのか

/r/ は舌先をどこにも触れさせない音、/l/ は舌先を歯ぐきにしっかりつける音で、調音の仕方が正反対です。日本語のラ行はちょうどこの中間のような音なので、どちらのつもりで発音しているかを意識しないと、聞き手には区別がつきません。

正しい考え方

/l/ を発音するときは舌先を上の歯ぐきにはっきりとつけ、/r/ を発音するときは舌先をどこにも触れさせずに口の中で軽く丸める、という違いを、鏡やイラストで確認しながら練習しましょう。

間違い7: 語末の子音をはっきり発音しない、または母音をつけてしまう

よくある誤答例

and を「アンド」のように、cat を「キャット」のように、語末に「ウ」や「オ」のような母音を付け加えて発音してしまう。

なぜ間違いなのか

日本語のカタカナ表記につられて、英語の語末の子音のあとに、存在しない母音を無意識に足してしまうことがあります。and は /ænd/ であり、/d/ のあとに母音はありません。

正しい考え方

カタカナ表記(アンド、キャット)を頭から切り離し、必ず発音記号(/ænd//kæt/)を基準に発音を確認する習慣をつけましょう。語末の子音は、口の形だけ作って音を止める(破裂させない)ようにすると、より自然に聞こえます。

間違い8: 綴りだけを見て発音を決めてしまう

よくある誤答例

初めて見る単語を、綴り字だけから「たぶんこう読むはずだ」と自己流に判断してしまい、実際の発音を確認しない。

なぜ間違いなのか

英語は、同じ綴りでも単語によって発音が変わることが多い言語です。たとえば "ough" は、though /ðəʊ/、through /θruː/、thought /θɔːt/、tough /tʌf/ のように、単語ごとにまったく違う音になります。綴りの規則だけに頼ると、間違った発音を覚えてしまう危険があります。

正しい考え方

新しい単語を覚えるときは、必ず辞書で発音記号を確認する習慣をつけましょう。特に、綴りと発音の対応が不規則な単語については、発音記号とセットで覚えることが、正確な発音への一番の近道です。