文法 / 特殊構文

挿入・同格

要点整理

挿入:コンマによる語句の割り込み

挿入とは、文の途中にコンマ(まれにダッシュや括弧)を使って、補足的な語句を割り込ませる表現です。挿入されている部分を取り除いても、残りの部分はそれだけで文法的に完結した文になります。

My father, I believe, is the kindest person in the world. (私の父は、私が思うに、世界で一番優しい人だ。)

I believe(私が思うに)という部分が挿入されており、これを取り除くと My father is the kindest person in the world. という完結した文が残ります。

挿入は、however(しかしながら)のような副詞1語の場合もあります。

The plan, however, was rejected by the committee. (その計画は、しかしながら、委員会によって却下された。)

また、関係代名詞が作る非制限用法の節が、文の途中に挿入されることもあります。

My brother, who lives in Osaka, called me last night. (大阪に住んでいる私の兄が、昨夜私に電話をかけてきた。)

who lives in Osaka という関係代名詞節が、My brother という先行詞の直後にコンマで挟まれて挿入されています。これを取り除いても My brother called me last night. という文が成立します。

挿入されている部分は、文全体の主語・動詞・目的語といった骨組みには含まれない、あくまで補足的な情報である、という点をしっかり意識しましょう。文の構造を把握するときは、コンマに挟まれた挿入部分をいったん飛ばして読むと、文の骨組みが見えやすくなります。

同格:抽象名詞の内容をthat節で説明する

同格とは、1つの名詞(句)の内容を、別の語句で具体的に言い換えて説明する関係のことです。特に重要なのが、fact・news・idea・possibility・belief のような抽象的な名詞の直後に、その内容を説明する that節 を続ける形です。

I couldn't believe the news that our team won the championship. (私たちのチームが優勝したというニュースを、私は信じることができなかった。)

that our team won the championship という節は、the news(そのニュース)の内容を具体的に説明しています。「ニュース、それはつまり『私たちのチームが優勝した』ということだ」という関係になっており、the news = 「私たちのチームが優勝したこと」という同格の関係が成り立っています。

The fact that he apologized surprised everyone. (彼が謝罪したという事実は、みんなを驚かせた。)

このように「the fact that + S + V」「the idea that + S + V」「the possibility that + S + V」という形は非常によく使われるパターンです。

同格のthatと関係代名詞のthatの違い

同格の that は、形が関係代名詞の that と似ているため混同しやすいですが、後ろに続く節の形で見分けることができます。

  • 同格のthat:直後の節は、主語・動詞・目的語などがすべてそろった完全な文になる。that は「〜という」という意味を加えるだけで、それ自体は文の要素(主語や目的語)にはならない。 the news that our team won the championship(that節の中は our team won the championship で完全な文)

  • 関係代名詞のthat:直後の節は、主語または目的語が1つ欠けた不完全な文になる。that 自体が、その欠けている要素(主語や目的語)の代わりを果たしている。 the news that he told me(that節の中は he told me だけで、told の目的語が欠けている。that が told の目的語の役割を果たしている)

「that の後ろの節が完全な文になっているかどうか」を確認することが、この2つを見分ける最も確実な方法です。

そのほかの同格の形

同格は that節を使わなくても、名詞と名詞をコンマで並べる形でも表せます。

My father, a doctor, works at a hospital in Tokyo. (医者である私の父は、東京の病院で働いている。)

a doctor という名詞句が、My father の内容を言い換えて説明しており、これも同格の関係です。

例題

例題1(基本)

問題

次の英文の挿入されている部分に下線を引き、その部分を取り除いた文を書け。

The new policy, in my opinion, will not solve the problem.

解答・解説を見る

in my opinion(私の意見では)がコンマで挟まれて挿入されています。この部分を取り除くと、次の完結した文が残ります。

The new policy will not solve the problem. (その新しい政策は、その問題を解決しないだろう。)

答え:挿入部分は in my opinion。取り除いた文:The new policy will not solve the problem.

例題2(標準)

問題

次の各文の that は、同格のthat・関係代名詞のthatのどちらか答えよ。

(1) I heard the rumor that the singer was moving to another country. (2) I heard the rumor that spread quickly around the school.

解答・解説を見る

(1) that の後の節 the singer was moving to another country は、主語(the singer)・動詞(was moving)がそろった完全な文です。この that は the rumor の内容(「その歌手が別の国に引っ越すということ」)を説明しているので同格のthatです。(その歌手が別の国に引っ越すという噂を、私は聞いた。)

(2) that の後の節 spread quickly around the school には主語が欠けています(that がその主語の役割を果たしています)。これは the rumor を修飾する関係代名詞のthatです。(私は、学校中にすぐに広まったその噂を聞いた。)

答え:(1) 同格のthat (2) 関係代名詞のthat

例題3(応用)

問題

次の日本語に合うように、( )内の語句を並べかえて英文を完成させよ。

「地球温暖化が加速しているという可能性は、多くの科学者を心配させている。」

( is / that / global warming / the possibility / accelerating ) worries many scientists.

解答・解説を見る

「地球温暖化が加速しているという可能性」は、the possibility(可能性)という抽象名詞の内容を that節で説明する同格の形で表します。the possibility の直後に that を置き、that節の中身「地球温暖化が加速している」= global warming is accelerating を続けます。

The possibility that global warming is accelerating worries many scientists.

that節を含む主語全体(The possibility that global warming is accelerating)が文全体の主語になっており、動詞は worries(三人称単数)になっている点も確認しておきましょう。

答え:The possibility that global warming is accelerating

確認問題

問題

次の英文の that は、同格のthat・関係代名詞のthatのどちらか答えよ。

She couldn't hide the fact that she was nervous before the interview.

答え

同格のthat(that の後の節 she was nervous before the interview が主語・動詞のそろった完全な文であり、the fact の内容を説明しているため。「彼女は、面接の前に緊張しているという事実を隠すことができなかった。」)