文法 / 受動態
受動態の基本(be+過去分詞)
要点整理
受動態の基本形
英語の文には、主語が「する」側である能動態と、主語が「される」側である受動態の2種類があります。受動態の基本の形は、次の通りです。
$\text{be動詞} + \text{過去分詞}$
This picture was painted by a famous artist.(この絵はある有名な画家によって描かれた。)
受動態の文では、「動作をする側」ではなく「動作を受ける側」が主語になります。上の文では、絵を「描いた」のは画家ですが、主語になっているのは「描かれた」側の picture です。
能動態から受動態への書きかえ手順
能動態の文 S + V + O(主語+動詞+目的語)を受動態に書きかえるときは、次の3つの手順に従います。
①能動態の目的語(O)を、受動態の主語にする
②動詞を「be動詞+過去分詞」にする(be動詞は、新しい主語の人称・数と、もとの文の時制に合わせる)
③能動態の主語(S)を「by ~」にして、文末に置く
具体例で確認しましょう。
能動態:Many people around the world speak English.(世界中の多くの人々が英語を話す。)
受動態:English is spoken by many people around the world.(英語は世界中の多くの人々によって話されている。)
目的語 English が主語になり、動詞 speak は、主語が3人称単数(English)で現在時制なので is spoken になり、もとの主語 many people は by の後ろに置かれています。
過去時制の例も確認しましょう。
能動態:Alexander Graham Bell invented the telephone.(アレクサンダー・グラハム・ベルが電話を発明した。)
受動態:The telephone was invented by Alexander Graham Bell.(電話はアレクサンダー・グラハム・ベルによって発明された。)
be動詞は、もとの文が過去時制なので was になります(新しい主語 the telephone は3人称単数)。
by ~ の省略
受動態の文では、動作をした人・ものが不明・重要でない・言うまでもなく明らかな場合、by ~ の部分は省略されることがよくあります。
My bike was stolen last night.(昨夜、私の自転車が盗まれた。)← 誰が盗んだかわからないので by ~ なし
Rice is grown in many parts of Japan.(米は日本の多くの地域で栽培されている。)← 「農家によって」は言うまでもなく明らかなので省略
このように、受動態は「誰が(何が)その動作をしたか」よりも、「動作を受けたもの・出来事そのもの」に焦点を当てたいときによく使われる文の形だと言えます。
自動詞は受動態にできない
受動態が作れるのは、**目的語を取る動詞(他動詞)**を使った文だけです。目的語を必要としない動詞(自動詞)は、そもそも受動態にすることができません。
happen(起こる)、occur(起こる)、arrive(到着する)、die(死ぬ)、appear(現れる) などは代表的な自動詞で、これらを使った文には対応する受動態が存在しません。
能動態:The accident happened yesterday.(その事故は昨日起こった。)
(×)The accident was happened yesterday. という受動態は存在しません。happen は目的語を取らない自動詞だからです。
英文を受動態にできるかどうか迷ったときは、まず「この動詞は目的語(~を)を取れる動詞か」を確認する習慣をつけましょう。
例題
例題1(基本)
問題
次の能動態の英文を、受動態の文に書きかえよ。
(1) A talented young chef cooks this special dish.
(2) Thousands of tourists visited the old castle last year.
解答・解説を見る
(1) 目的語 this special dish を主語にし、動詞 cooks を、新しい主語(3人称単数)・現在時制に合わせて is cooked にします。もとの主語 a talented young chef は by の後ろに置きます。
This special dish is cooked by a talented young chef.(この特別な料理は、才能ある若いシェフによって作られる。)
(2) 目的語 the old castle を主語にし、動詞 visited を、過去時制に合わせて was visited にします。
The old castle was visited by thousands of tourists last year.(その古城は昨年、何千人もの観光客に訪れられた。)
答え:(1) This special dish is cooked by a talented young chef. (2) The old castle was visited by thousands of tourists last year.
例題2(標準)
問題
次の英文を受動態に書きかえよ。ただし、by ~ の部分は、省略するのが自然な場合は省略すること。
(1) Somebody broke this window during the night.
(2) People speak Portuguese in Brazil.
解答・解説を見る
(1) 「誰が割ったか」は不明・重要ではないので、by somebody は省略するのが自然です。
This window was broken during the night.(この窓は夜のうちに割られた。)
(2) 「(ブラジルの)人々が」というのは、言うまでもなく明らかな一般論なので、by peopleは省略するのが自然です。
Portuguese is spoken in Brazil.(ポルトガル語はブラジルで話されている。)
答え:(1) This window was broken during the night. (2) Portuguese is spoken in Brazil.
例題3(応用)
問題
次の英文のうち、受動態に書きかえられないものはどれか。理由も含めて答えよ。
(1) A sudden earthquake occurred in the region last month.
(2) The committee will announce the results next week.
解答・解説を見る
(1) occur(起こる)は目的語を取らない自動詞です。「the region」は目的語ではなく、in the regionという前置詞句(場所を表す修飾語)にすぎません。したがって、この文には対応する受動態が存在しません。
(×)The region was occurred by a sudden earthquake last month. のような文は成り立ちません。
(2) announce(発表する)は目的語 the results を取る他動詞なので、受動態に書きかえることができます。
The results will be announced by the committee next week.(結果は来週、委員会によって発表されるだろう。)助動詞willを含む文なので、be動詞は原形の be のままにする点に注意しましょう。
答え:(1)は受動態にできない(occurは自動詞で目的語を取らないため)。(2)は The results will be announced by the committee next week. に書きかえられる。
確認問題
問題
次の能動態の英文を受動態に書きかえよ。
A famous architect designed this building in 1990.
答え
This building was designed by a famous architect in 1990.(この建物は1990年に、ある有名な建築家によって設計された。)