文法 / 動名詞

動名詞と不定詞の使い分け(動詞による目的語の違い)

要点整理

動詞によって、目的語に動名詞をとるか、to不定詞をとるかが決まっています。この使い分けは丸暗記が必要な部分も多いですが、グループごとに整理して覚えると効率的です。

グループA:動名詞だけを目的語にとる動詞

enjoy, finish, avoid, mind, give up, put off, stop(「~するのをやめる」の意味のとき), consider, suggest, deny, admit, escape, imagine, practice, risk などは、目的語に動名詞だけをとります。これらの動詞の頭文字を集めた MEGAFEPS(mind, enjoy, give up, avoid, finish, escape, practice, stop)という覚え方もよく使われます。

I finished doing my homework before dinner.(私は夕食前に宿題をやり終えた。)

He avoided answering the question directly.(彼はその質問に直接答えるのを避けた。)

Would you mind closing the window? It's a bit cold.(窓を閉めていただけますか。少し寒いので。)

(×)I finished to do my homework. のように、これらの動詞のあとにto不定詞を置くことはできません。

グループB:to不定詞だけを目的語にとる動詞

want, hope, wish, decide, plan, promise, refuse, expect, agree, offer, manage, afford, choose, learn などは、目的語にto不定詞だけをとります。

She decided to study abroad after graduation.(彼女は卒業後、留学することに決めた。)

They refused to answer my question.(彼らは私の質問に答えることを拒んだ。)

We managed to finish the project on time.(私たちはなんとか時間通りにそのプロジェクトを終わらせた。)

(×)She decided studying abroad. のように、これらの動詞のあとに動名詞を置くことはできません。

グループC:両方とれて意味がほぼ変わらない動詞

like, love, hate, prefer, begin, start, continue などは、動名詞・to不定詞のどちらを目的語にとっても、意味に大きな違いは生じません。

I like reading mystery novels. = I like to read mystery novels.(私は推理小説を読むのが好きだ。)

It started raining. = It started to rain.(雨が降り始めた。)

ただし、likeの場合、動名詞は「(習慣的に)するのが好き」、to不定詞は「(その場その場で)したいと思う」という、わずかなニュアンスの違いを持つと説明されることもあります。

グループD:動名詞と不定詞で意味が変わる動詞(最重要)

remember, forget, try, stop, regret, need のように、動名詞をとるか不定詞をとるかで意味そのものが変わってしまう動詞は、特に注意が必要です。

remember to do(これからするのを覚えている)/ remember doing(したのを覚えている)

Remember to lock the door before you leave.(出かける前に忘れずにドアに鍵をかけてね。)← これからすべきこと

I remember locking the door this morning.(私は今朝ドアに鍵をかけたのを覚えている。)← 過去にした行為の記憶

forget to do(するのを忘れる)/ forget doing(したのを忘れる)

I forgot to bring my umbrella, so I got wet on the way home.(私は傘を持ってくるのを忘れたので、帰り道でぬれてしまった。)

I'll never forget visiting Kyoto for the first time.(初めて京都を訪れたことを、私は決して忘れないだろう。)

forgetの場合、doing(~したこと)を忘れないというのは通常「印象深い経験を忘れない」という肯定的な文脈で使われ、never forget doingという形でよく見られます。

try to do(しようと努力する)/ try doing(試しにしてみる)

He tried to open the heavy door, but it wouldn't budge.(彼はその重いドアを開けようとしたが、びくともしなかった。)← 努力したが成功したかは別

Why don't you try using this new app? It might help you.(この新しいアプリを試しに使ってみたら?役に立つかもしれないよ。)← 試しにやってみる

stop to do(するために立ち止まる)/ stop doing(するのをやめる)

He stopped to tie his shoelaces on the way to school.(彼は学校へ行く途中、靴ひもを結ぶために立ち止まった。)

この場合の to tie は、stopの目的語ではなく、**副詞的用法(目的)**の不定詞です。「立ち止まる」という動作(stop)そのものは自動詞で、「なぜ立ち止まったのか」を to不定詞が説明しています。

He stopped smoking last year for his health.(彼は健康のため、去年タバコを吸うのをやめた。)

こちらは smoking が stop の目的語になっており、「タバコを吸うという行為」自体をやめた、という意味です。

regret to do(残念ながらする)/ regret doing(したことを後悔する)

I regret to inform you that the flight has been canceled.(残念ながら、そのフライトが欠航になったことをお知らせいたします。)

She regretted saying such a rude thing to her friend.(彼女は友人にそんな失礼なことを言ったことを後悔した。)

need to do(する必要がある)/ need doing(される必要がある)

主語が動作を「する」側のときはneed to do、主語が動作を「される」側のときはneed doing(need to be doneとほぼ同じ意味)を使います。

I need to fix my bike before the weekend.(私は週末までに自転車を直す必要がある。)

My bike needs fixing.(私の自転車は直される必要がある。)= My bike needs to be fixed.

例題

例題1(基本)

問題

次の英文の( )内の動詞を、動名詞か不定詞の適切な形にせよ。

(1) He always avoids (talk) about his past.

(2) We hope (visit) Okinawa next summer.

(3) I really enjoy (listen) to classical music.

解答・解説を見る

(1) avoidは動名詞だけを目的語にとる動詞(MEGAFEPSのA)なので、talking にします。

He always avoids talking about his past.(彼はいつも自分の過去について話すのを避ける。)

(2) hopeはto不定詞だけを目的語にとる動詞なので、to visit にします。

We hope to visit Okinawa next summer.(私たちは来年の夏、沖縄を訪れたいと思っている。)

(3) enjoyは動名詞だけを目的語にとる動詞(MEGAFEPSのE)なので、listening にします。

I really enjoy listening to classical music.(私はクラシック音楽を聴くのが本当に好きだ。)

答え:(1) talking (2) to visit (3) listening

例題2(標準)

問題

次の2文の意味の違いを日本語で説明せよ。

(1) I remember meeting him at the party last year.

(2) I remember to meet him at the station tomorrow.

解答・解説を見る

(1)は remember + doing(動名詞)の形で、「(過去に)彼にパーティーで会ったのを覚えている」という、すでに起きた出来事の記憶を表しています。

(2)は remember + to do(to不定詞)の形で、「(これから)明日駅で彼に会うのを覚えている(=忘れずに会う)」という、これから行うべきことを忘れていないという意味を表しています。

同じ remember + meet でも、doingかto doかで「過去の記憶」か「これからの予定を忘れないこと」かが正反対に近いほど変わる点に注意しましょう。

答え:(1) 過去にパーティーで彼に会ったことを覚えている、という記憶の話。 (2) 明日駅で彼に会うという、これからの予定を忘れていない、という話。

例題3(応用)

問題

次の英文を日本語に訳せ。また、下線部の to check が、stopの目的語なのか、それとも副詞的用法の不定詞なのかを説明せよ。

On his way home, he stopped to check his phone for messages.

解答・解説を見る

まず文の構造を確認します。stop は本来、目的語をとらなくても「立ち止まる」という意味を表せる自動詞としても使えます。この文では、stop(立ち止まる)という動作が起きた理由・目的を、to check以下が説明しています。つまり、to check his phone for messages は stop の目的語ではなく、動詞 stopped を修飾する**副詞的用法(目的)**のto不定詞です。

もし stop doing の形(stop checking)であれば「携帯電話をチェックするのをやめた」という意味になり、まったく違う意味の文になってしまいます。stopのあとの語が原形+ingかto doかで、「するために立ち止まる」なのか「するのをやめる」なのかが変わることを、文脈と形の両方から確認する習慣をつけましょう。

答え:訳:家に帰る途中、彼はメッセージが来ていないか携帯電話を確認するために立ち止まった。/ to checkはstopの目的語ではなく、「なぜ立ち止まったか」という目的を表す副詞的用法の不定詞である。

確認問題

問題

次の英文の( )内の動詞を、動名詞か不定詞の適切な形にせよ。

She finished (write) her report just before the deadline.

答え

writing(finishは動名詞だけを目的語にとる動詞)

She finished writing her report just before the deadline.(彼女は締め切り直前にレポートを書き終えた。)