英作文 / 英作文の基礎
文構造から考える英作文
要点整理
日本語と英語では「文の骨組み」が違う
日本語は、主語をはっきり言わなくても意味が通じる言語です。一方、英語の文には、命令文などの特別な場合を除いて、必ず主語が必要です。したがって和文英訳(日本語を英語に訳すこと)をするときは、まず「この文の動詞は何か」「その動詞に対応する主語は何か」を、日本語の見た目にとらわれずに考える必要があります。
例えば、次の日本語を見てください。
「明日は晴れるそうだ。」
この文には、日本語としての主語(誰が、何が)がはっきり書かれていません。しかし英語にするときは、動詞 will be に対する主語が必要です。この場合は、天気を表す it を主語にします。
It will be sunny tomorrow.(明日は晴れるだろう。)
主語が省略されている日本語
日本語では、話し手や聞き手にとって明らかな主語は、しばしば省略されます。英作文をするときは、省略された主語を自分で補ってから英語にする必要があります。
「(私は)昨日、図書館で宿題をした。」
I did my homework at the library yesterday.(私は昨日、図書館で宿題をした。)
日本語の主語と英語の主語が一致しないパターン:無生物主語構文
日本語では理由・原因・手段を表す言葉(「〜のおかげで」「〜によって」「〜をすると」など)で始まる文でも、英語では、その理由や原因そのものを主語にして表現することがよくあります。これを無生物主語構文と呼びます。
「この地図のおかげで、私たちは道に迷わずにすんだ。」
日本語の主語(のように見える部分)は「私たち」ですが、英語では This map(この地図)を主語にして、次のように表現するのが自然です。
This map helped us avoid getting lost.(この地図のおかげで、私たちは道に迷わずにすんだ。)
同じ内容を「私たちは」を主語にして直訳しようとすると、"We did not get lost thanks to this map." のような、やや不自然で回りくどい文になってしまいます。無生物主語構文を使うと、より簡潔で英語らしい文になります。
もう一つ例を見てみましょう。
「その知らせを聞いて、彼女は驚いた。」
The news surprised her.(その知らせを聞いて、彼女は驚いた。)
日本語の主語「彼女」をそのまま主語にして "She was surprised to hear the news." と訳すこともできますが、原因である The news を主語にして動詞 surprised を使うと、より短く、力強い文になります。
文構造から考える手順
和文英訳で主語に迷ったときは、次の手順で考えると整理しやすくなります。
- 日本語の文の中で、動作や状態の中心になっている動詞(に対応する英語の動詞)は何かを考える。
- その動詞に対して、英語で主語になれるもの(人、物、出来事、こと)を日本語全体から探す。
- 日本語の主語をそのまま使うと不自然になる場合は、原因・理由・手段にあたる語句を主語にできないか考える。
例題
例題1(基本)
問題
次の日本語を英語にしなさい。主語に注意すること。
「(私たちは)去年、京都を訪れた。」
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日本語では主語「私たち」が省略されていますが、英語には必ず主語が必要です。省略されている主語を補ってから英文を組み立てます。動詞は「訪れた」なので visited(過去形)を使います。
答え:We visited Kyoto last year.
例題2(標準)
問題
次の日本語を、指定された名詞を主語にした無生物主語構文で英語にしなさい。
「大雪のために、多くの電車が止まった。」(主語:the heavy snow)
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まず、日本語の文全体の意味を確認します。「大雪」が原因で、「多くの電車」が結果として止まった、という因果関係になっています。
指定された通り、原因である the heavy snow を主語にすると、動詞には「(結果を)引き起こす」という意味の caused を使うのが自然です。「多くの電車が止まる」ことを caused の目的語にして、to不定詞で表します。
$\text{原因(主語)} + \text{caused} + \text{結果(目的語)} + \text{to 動詞の原形}$
というパターンに当てはめると、
答え:The heavy snow caused many trains to stop.
「多くの電車が止まった」の部分は、caused の目的語 many trains の後に to stop(不定詞)を続けて表す点がポイントです。
例題3(応用)
問題
次の日本語を英語にしなさい。日本語の主語をそのまま使うと不自然になる場合は、無生物主語構文を使うことを検討すること。
「彼はその映画を見て、宇宙飛行士になりたいと思うようになった。」(主語:the movie)
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日本語の主語は「彼」ですが、指定にしたがって「その映画」を主語にして考えます。この文の骨組みは「映画が、彼に宇宙飛行士になりたいと思わせた」という、原因(映画)→結果(彼がそう思うようになった)の関係です。
「(人)に〜したいと思わせる」は英語で make + 人 + want to ~ で表せます。
$\text{The movie} + \text{made} + \text{him} + \text{want to become an astronaut}$
答え:The movie made him want to become an astronaut.
日本語の主語「彼」は、英語では目的語(him)の位置に回っている点に注目しましょう。このように、原因を主語にする発想に慣れると、日本語を1語ずつ訳そうとして詰まってしまうことが減ります。
確認問題
問題
次の日本語を英語にしなさい。
「この本を読めば、あなたは日本の歴史をよく理解できるだろう。」(主語:this book)
答え
This book will help you understand Japanese history well.