文法 / 特殊構文

よくある間違い

間違い1: 否定語を文頭に置いても倒置を忘れてしまう

よくある誤答例

「私はこれほど困難な状況に一度も直面したことがない」を Never I have faced such a difficult situation. としてしまう。

なぜ間違いなのか

never のような否定語(準否定語を含む)を文頭に置いたときは、直後の主節を疑問文と同じ語順(助動詞+主語+動詞)にしなければなりません。この誤答例では I have という通常の語順のままになっており、倒置が行われていません。

正しい考え方

否定語を文頭に見つけたら、反射的に「後ろは疑問文の語順」と考えましょう。Never have I faced such a difficult situation. のように、助動詞(ここでは have)を主語の前に出します。

間違い2: 一般動詞の文で倒置するときにdo/does/didを補い忘れる

よくある誤答例

「彼女はめったに文句を言わない」を Rarely she complains. としてしまう。

なぜ間違いなのか

この文には complains という一般動詞しかなく、助動詞がありません。倒置する際に、助動詞がない一般動詞の文では do/does/did を補って主語の前に出す必要がありますが、この誤答例ではそれが行われていません。

正しい考え方

助動詞がない文を倒置するときは、do/does/did を補い、動詞は原形に戻します。Rarely does she complain.(彼女はめったに文句を言わない。)

間違い3: Only+副詞句の後の倒置を忘れる

よくある誤答例

「彼と話して初めて、私は彼の本当の考えを理解した」を Only after talking with him, I understood his real thoughts. としてしまう。

なぜ間違いなのか

Only after talking with him のように Only を含む副詞句が文頭にある場合、直後の主節は倒置した語順にならなければなりません。この誤答例では I understood という通常の語順のままです。

正しい考え方

Only〜が文頭にあるときも、否定語の場合と同じく「後ろは疑問文の語順」にします。Only after talking with him did I understand his real thoughts.

間違い4: 場所の副詞句+倒置を、主語が代名詞の文にも使ってしまう

よくある誤答例

「そこに彼女が立っていた」を There stood she. としてしまう。

なぜ間違いなのか

場所を表す副詞句が文頭に来るときの倒置は、主語が名詞の場合に起こる現象です。主語が代名詞(she, he, it, theyなど)の場合は倒置せず、通常の語順のままにします。

正しい考え方

主語が代名詞なら「主語+動詞」のまま変えません。There she stood.(そこに彼女は立っていた。)主語が名詞の場合、たとえば There stood an old woman.(そこに1人の老婦人が立っていた。)であれば倒置が起こります。

間違い5: 強調構文と形式主語構文を混同する

よくある誤答例

It is true that he made a mistake. を強調構文だと考え、「本当なのは彼がミスをしたということだ」のように that を取り除いて元の文が作れると思い込んでしまう。

なぜ間違いなのか

It is の後に true という形容詞が続いており、It is 〜 that を取り除くと true that he made a mistake という不完全な形が残ってしまいます。これは強調構文ではなく、形式主語 it が that節(真の主語)を代表している形式主語構文です。

正しい考え方

It is の直後に形容詞が来ていたら、まず形式主語構文を疑いましょう。強調構文かどうかを確かめるには、It is 〜 that を取り除いて、残りが完全な文になるかどうかを必ず確認します。この文は取り除くと true that he made a mistake となり文が成立しないため形式主語構文と判断します。

間違い6: 従属節の主語が主節と異なるのに「主語+be動詞」を省略してしまう

よくある誤答例

「彼が忙しかったので、私が代わりにその仕事をした」を Because busy, I did the work instead. としてしまう。

なぜ間違いなのか

接続詞節の中の「主語+be動詞」を省略できるのは、その節の主語が主節の主語と一致している場合だけです。この文では、Because節の主語(he、彼が忙しかった)と主節の主語(I、私が代わりにやった)が異なるため、省略することはできません。

正しい考え方

省略する前に、必ず両方の節の主語が同じかどうかを確認しましょう。主語が異なる場合は省略せず、Because he was busy, I did the work instead. のように、主語とbe動詞をそのまま残します。

間違い7: if it were not for と if it had not been for の時制を混同する

よくある誤答例

「あのとき彼の助けがなかったら、私は失敗していただろう」という過去の内容を If it were not for his help then, I would have failed. としてしまう。

なぜ間違いなのか

if it were not for は現在の事実に反する仮定(仮定法過去)を表す表現です。「あのとき」という過去の事実に反する内容を表すには、仮定法過去完了の if it had not been for を使わなければなりません。

正しい考え方

現在のことなら if it were not for、過去のことなら if it had not been for と、時制をそろえて使い分けましょう。If it had not been for his help then, I would have failed.(あのとき彼の助けがなかったら、私は失敗していただろう。)

間違い8: 同格のthatを関係代名詞のthatと勘違いする

よくある誤答例

the fact that he was absent from school の that を関係代名詞と考え、「that の後ろは主語か目的語が欠けているはずだ」と探してしまい、he was absent from school が完全な文であることに混乱してしまう。

なぜ間違いなのか

fact・news・ideaのような抽象名詞の直後に続く that節が、その名詞の内容を説明している場合、that は関係代名詞ではなく同格のthatです。同格のthatの後ろは、主語・動詞などがそろった完全な文になります。

正しい考え方

that の後ろの節が完全な文かどうかを必ず確認しましょう。完全な文なら同格のthat(「〜という」という意味)、主語や目的語が欠けた不完全な文なら関係代名詞のthatです。the fact that he was absent from school(彼が学校を欠席したという事実)は、he was absent from school という完全な文が続いているので同格のthatと判断します。