文法 / 分詞

独立分詞構文・慣用分詞構文

要点整理

独立分詞構文:主語が異なる場合は主語を残す

前の単元で学んだ分詞構文の作り方では、副詞節の主語が主節の主語と同じときは、その主語を消しました。しかし、副詞節の主語と主節の主語が異なる場合は、主語を消すことができません。この場合、分詞の前に副詞節の主語をそのまま残します。これを独立分詞構文と呼びます。

As it was fine, we went on a picnic.(天気が良かったので、私たちはピクニックに行った。)

この文では、副詞節の主語 it(天気)と、主節の主語 we(私たち)が異なります。そのため、As を消し、was を Being に変えたあとも、主語 it だけは消さずに残します。

It being fine, we went on a picnic.

もう1つ例を見てみましょう。

After the sun had set, we returned home.(日が沈んだあと、私たちは家に帰った。) The sun having set, we returned home.(日が沈んだので、私たちは家に帰った。)

ここでも、副詞節の主語 the sun と主節の主語 we が異なるため、主語 the sun を残したまま、had set を having set(完了形の分詞構文)に変えています。

with+O+分詞:付帯状況の応用形

独立分詞構文の考え方をさらに応用したのが、「with+目的語+分詞」という形です。この形も、「しながら」「した状態で」という付帯状況を表しますが、withによって「主語+分詞」のかたまりが1つの句としてまとまっているのが特徴です。

目的語と分詞の意味関係によって、現在分詞と過去分詞を使い分けます。

  • 目的語が動作を「する」側 → with+O+現在分詞
  • 目的語が動作を「される」側、または状態を表す形容詞・副詞(句) → with+O+過去分詞など

She was standing there, with her arms folded.(彼女は腕を組んだ状態で、そこに立っていた。) He was reading a book, with his dog sleeping beside him.(彼は、犬をそばで眠らせながら(=犬がそばで眠っている状態で)、本を読んでいた。)

1文目では、her arms(彼女の腕)は「組まれる」側なので過去分詞 folded が使われています。2文目では、his dog(彼の犬)は「眠る」動作をする側なので現在分詞 sleeping が使われています。

慣用分詞構文:主語に関係なく使う決まり文句

分詞構文の中には、文の主語が何であっても、決まった意味を表す慣用句として使われるものがあります。これを慣用分詞構文と呼びます。本来の分詞構文のルールでは、分詞の意味上の主語と文全体の主語が一致していなければなりませんが、慣用分詞構文は例外的に、その一致を気にせず使うことができます。

代表的な慣用分詞構文を整理しておきましょう。

慣用分詞構文 意味
judging from ~ ~から判断すると
generally speaking 一般的に言うと
frankly speaking 率直に言うと
strictly speaking 厳密に言うと
considering ~ ~を考慮すると
given ~ を考えると、を踏まえると
compared with[to] ~ ~と比較すると
talking[speaking] of ~ ~と言えば

Judging from the dark clouds, it will rain soon.(あの黒い雲から判断すると、もうすぐ雨が降るだろう。) Generally speaking, younger students adapt to new environments more quickly.(一般的に言って、若い生徒の方が新しい環境に早く適応する。) Considering her age, she runs surprisingly fast.(彼女の年齢を考えると、彼女は驚くほど速く走る。)

これらの表現では、「判断する」「言う」「考慮する」という動作をしているのは実際には話し手自身ですが、文全体の主語(it, younger students, she など)とは一致していません。慣用分詞構文はこのように、主語との一致を気にせず、そのままの形で覚えて使うことが大切です。

例題

例題1(基本)

問題

次の日本語に合うように、( )内の語を使って英文を完成させよ。

天候が悪かったので、試合は中止になった。 ( The weather / bad ), the game was canceled.

解答・解説を見る

副詞節にあたる部分の主語は the weather、主節の主語は the game です。この2つは異なる名詞なので、独立分詞構文として the weather を分詞の前に残す必要があります。be動詞 was を Being に変えます。

答え:The weather being bad, the game was canceled.

例題2(標準)

問題

次の日本語に合うように、( )内の語(必要な形に変える)を使って英文を完成させよ。

彼はその知らせを聞いて、目に涙を浮かべながら立ち尽くしていた。 He stood still, with tears ( run ) down his face.

解答・解説を見る

「with+O+分詞」の形です。目的語 tears(涙)は「流れる」という動作をする側なので、能動の意味を表す現在分詞にします。

答え:He stood still, with tears running down his face.

例題3(応用)

問題

次の英文を日本語に訳し、下線部の分詞構文が独立分詞構文・慣用分詞構文のどちらであるかを答えよ。

Judging from his tired look, he must have worked all night, his desk covered with papers.

解答・解説を見る

この文には2つの分詞構文が含まれています。

1つ目の Judging from his tired look(彼の疲れた様子から判断すると)は、文全体の主語 he とは一致しない、決まった意味を表す表現なので慣用分詞構文です。

2つ目の his desk covered with papers(彼の机は書類で覆われた状態で)に注目します。covered(覆われた)の意味上の主語は his desk であり、主節の主語 he とは異なる名詞です。そのため、his desk を分詞の前に残した独立分詞構文になっています。

答え:彼の疲れた様子から判断すると、彼は机が書類で覆われた状態で、一晩中働いたにちがいない。Judging from ~は慣用分詞構文、his desk covered with papersは独立分詞構文。

確認問題

問題

次の日本語に合うように、( )内の語を使って英文を完成させよ。

率直に言うと、その計画はうまくいかないと思う。 ( Frankly / speak ), I don't think the plan will work.

答え

Frankly speaking, I don't think the plan will work. (frankly speakingは「率直に言うと」を表す慣用分詞構文。)