文法 / 助動詞
助動詞+have+過去分詞(過去の推量・後悔)
要点整理
これまで学んできた助動詞(must, may, might, can, should など)は、have + 過去分詞 を後ろに続けることで、「過去の出来事」についての推量や気持ちを表すことができます。基本の形は次の通りです。
$\text{助動詞} + \text{have} + \text{過去分詞}$
現在形の助動詞(must, may など)が「現在の状況についての推量・判断」を表すのに対し、「助動詞+have+過去分詞」は「過去にすでに起きたことについての推量・判断」を表す点が違いです。
must have + 過去分詞(~したにちがいない)
過去に起きたことについて、強い確信を持って推量するときに使います。
The ground is wet. It must have rained last night.(地面が濡れている。昨夜、雨が降ったにちがいない。)
She looks very tired. She must have stayed up all night studying.(彼女はとても疲れて見える。徹夜で勉強したにちがいない。)
can't have / couldn't have + 過去分詞(~したはずがない)
must have の反対の、強い否定的な推量を表します。「~したにちがいない」の否定は must not have ではなく、can't have(またはcouldn't have)を使う点に注意しましょう(01-can-may.mdで学んだ、現在の推量における can't と同じ考え方です)。
He can't have finished the report already. He only started an hour ago.(彼がすでにレポートを終わらせたはずがない。1時間前に始めたばかりだ。)
may have / might have + 過去分詞(~したかもしれない)
過去の出来事についての、確信の低い推量を表します。
I'm not sure, but I may have left my umbrella on the train.(確信はないが、電車に傘を置き忘れたかもしれない。)
She might have forgotten about our appointment.(彼女は私たちの約束を忘れてしまったのかもしれない。)
should have + 過去分詞(最重要:~すべきだったのに)
should have + 過去分詞 は非常によく使われる、重要な表現です。「~すべきだったのに(実際にはそうしなかった)」という、過去の行為に対する後悔や非難を表します。
I should have studied harder for the test.(そのテストのために、もっと一生懸命勉強すべきだった(のに、しなかった)。)
この文が伝えているのは、「実際には一生懸命勉強しなかった」という事実です。should have p.p. は、現実に起きたこととは逆のことを述べて後悔する、という点をしっかり理解しておきましょう。
You should have called me before you came. I wasn't home.(来る前に私に電話すべきだったのに(しなかった)。私は家にいなかったんだよ。)
否定形 shouldn't have + 過去分詞 は「~すべきでなかったのに(実際にはしてしまった)」という意味になります。
I shouldn't have eaten so much cake. Now I have a stomachache.(あんなにケーキを食べるべきではなかったのに(食べてしまった)。今、お腹が痛い。)
ought to have + 過去分詞 も should have + 過去分詞 とほぼ同じ意味で使われます。
We ought to have left home earlier.(私たちはもっと早く家を出るべきだった。)
まとめ:意味の違いを整理する
| 形 | 意味 | 焦点 |
|---|---|---|
| must have p.p. | ~したにちがいない | 過去についての強い推量 |
| can't/couldn't have p.p. | ~したはずがない | 過去についての強い否定的推量 |
| may/might have p.p. | ~したかもしれない | 過去についての弱い推量 |
| should(not) have p.p. | ~す(べきでなかった)べきだったのに | 過去の行為への後悔・非難 |
推量の3つ(must/can't/may)は「過去に何が起きたかを、今の視点から推測する」表現であるのに対し、should have p.p. は「過去に実際に起きたことを踏まえて、それを悔やんだり非難したりする」表現である、という目的の違いを意識すると混同しにくくなります。
例題
例題1(基本)
問題
次の英文の空所に、must, can't, should のうち最も適切なものを入れ、have + 過去分詞の形を完成させよ(動詞は適切な形にすること)。
(1) The lights in his room are off. He ( ) have (go) to bed already.
(2) Look, the trophy on the shelf is broken. Someone ( ) have (drop) it.
(3) I ( ) have (bring) my umbrella. It's raining and I'm getting soaked.
解答・解説を見る
(1) 「部屋の明かりが消えている」という根拠から、「すでに寝たにちがいない」という強い推量をしています。must have gone
He must have gone to bed already.
(2) 「棚の上のトロフィーが壊れている」という根拠から、「誰かがそれを落としたにちがいない」という強い推量をしています。must have dropped
Someone must have dropped it.
(3) 「傘を持ってくるべきだったのに(持ってこなかったので)濡れている」という、過去の行為への後悔です。should have brought
I should have brought my umbrella.
答え:(1) must have gone (2) must have dropped (3) should have brought
例題2(標準)
問題
次の日本文の意味に合うように、should have または shouldn't have を使って英文を完成させよ。
(1) 彼にそんなに厳しいことを言うべきではなかった。(say / such a harsh thing / to him)
(2) もっと早く医者に診てもらうべきだった。(see / a doctor / sooner)
解答・解説を見る
(1) 「言うべきではなかった(のに実際には言ってしまった)」という後悔なので、shouldn't have said を使います。
I shouldn't have said such a harsh thing to him.
(2) 「診てもらうべきだった(のに実際にはそうしなかった)」という後悔なので、should have seen を使います。
I should have seen a doctor sooner.
答え:(1) I shouldn't have said such a harsh thing to him. (2) I should have seen a doctor sooner.
例題3(応用)
問題
次の対話を読み、下線部の意味を日本語で説明せよ。また、この対話の状況から考えて、実際に何が起きたのかを説明せよ。
A: I texted Mika three times, but she hasn't replied at all. B: She might have lost her phone, or she may just be busy with exams. Either way, I wouldn't worry too much yet.
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下線部は「彼女は携帯電話をなくしたのかもしれないし、あるいは試験で忙しいだけなのかもしれない」という意味です。might have lost と may be はどちらも確信の低い推量を表しており、Bは「2つの可能性のうち、どちらが真実かはわからない」という気持ちを述べています。
実際に何が起きたかについては、この対話だけからは断定できません。might have p.p. や may be は、話し手が確信を持てない状況で使う表現だからです。もし携帯をなくした確信があれば、Bは must have lost(なくしたにちがいない)のような、より強い推量の表現を使ったはずです。この点が、応用問題として問われている「推量の強さの違いを読み取る」ポイントです。
答え:下線部の意味は「彼女は携帯電話をなくしたのかもしれないし、試験で忙しいだけなのかもしれない」。実際に何が起きたかはこの対話だけでは確定できず、Bも確信を持って推量しているわけではない(may/mightは確信の低い推量のため)。
確認問題
問題
次の英文を日本語に訳せ。
I can't have left my keys at the office. I remember putting them in my bag this morning.
答え
私が鍵を会社に置き忘れたはずがない。今朝、鞄に入れたのを覚えている。