発音・アクセント / 発音記号と音のルール

子音の発音記号と発音

要点整理

子音は、母音と違って、口のどこかを閉じたり狭めたりして息の流れをさえぎることで作られる音です。子音を理解するうえで欠かせないのが、有声音・無声音という区別と、日本語にはない音をどう発音するか、という2点です。

有声音と無声音

英語の子音の多くは、口の中で舌や唇を置く場所(調音点)や、息のさえぎり方(調音法)が同じで、「喉(声帯)が震えるかどうか」だけが違う、というペアを作っています。喉に軽く手を当てて発音してみると、震えの有無を確認できます。

無声音 有声音 例(無声音) 例(有声音)
/p/ /b/ pen /pen/ big /bɪɡ/
/t/ /d/ ten /ten/ dog /dɒɡ/
/k/ /ɡ/ cat /kæt/ go /ɡəʊ/
/f/ /v/ fish /fɪʃ/ van /væn/
/θ/ /ð/ think /θɪŋk/ this /ðɪs/
/s/ /z/ see /siː/ zoo /zuː/
/ʃ/ /ʒ/ shop /ʃɒp/ measure /ˈmeʒə/
/tʃ/ /dʒ/ chair /tʃeə/ jam /dʒæm/

同じ口の形で、声を出すか出さないかだけが違うので、たとえば /f//v/ は、上の歯を下唇に軽く当てるという口の形はまったく同じで、/v/ のときだけ声帯を震わせます。

日本語話者が特に苦手とする子音

/θ//ð/(th の音)

舌の先を上下の前歯の間に軽くはさみ、そのすき間から息を出します。日本語にはこの音がないため、/s//z//d/ などで代用してしまいがちです。think /θɪŋk/ と sink /sɪŋk/ は、th の有無だけで別の単語になります。

/f//v/

上の歯を下唇に軽く当てて、そのすき間から息(/f/)または声(/v/)を出します。日本語の「ふ」は上下の唇だけで作る音(歯を使わない)なので、英語の /f//v/ とは作り方が違います。特に /v/ は日本語にない音のため、/b/ で代用されがちです。very /veri/ と berry /beri/ は別の単語です。

/r//l/

/r/ は舌先をどこにも触れさせず、口の中で丸めるようにして出す音です。/l/ は舌先を上の歯ぐきにしっかりつけて出す音です。日本語のラ行の音は、舌先が歯ぐきに軽く触れる、ちょうど /r//l/ の中間のような音なので、意識して区別する必要があります。right /raɪt/(右)と light /laɪt/(光)は、この違いだけで意味が変わります。

/s//ʃ/

/s/ は舌先を歯ぐきに近づけて出す音、/ʃ/ はそれよりも少し奥で、唇をやや丸めて出す音です。see /siː/ と she /ʃiː/ を比べて、唇の丸め方の違いを確認しましょう。

語末の子音と子音クラスター

日本語のほとんどの音は「子音+母音」のセットでできているため、英語を話すときに、子音のあとに余計な母音を入れてしまう癖がつきやすくなります。しかし英語の子音は、単独で(母音なしで)発音されることが普通です。

たとえば strike /straɪk/ は、/s/ /t/ /r/ という3つの子音が母音をはさまずに連続しています。これを「ストライク」のように母音を入れて発音すると、英語話者には別の音として聞こえてしまいます。同様に and /ænd/ の語末の /d/ も、母音をつけずにそこで息を止めるようにして発音します。

例題

例題1(基本)

問題

次の4つの単語のうち、下線部の子音が有声音であるものを1つ選べ。

① fast ② easy ③ miss ④ bus

解答・解説を見る

同じ「s」の綴りでも、発音は語によって異なります。fast /fɑːst/ の s は /s/(無声)、miss /mɪs/ の s は /s/(無声)、bus /bʌs/ の s は /s/(無声)です。一方、easy /ˈiːzi/ の s は、母音にはさまれて濁り、/z/(有声)で発音されます。

答え:②

例題2(標準)

問題

次の説明には1か所誤りがある。誤りを指摘し、正しく直せ。

/θ/ の音は、日本語の『ス』と同じように、舌先を上の歯の裏側に当てて出す無声音である。」

解答・解説を見る

/θ/ は日本語の「ス」/s/ とは調音の仕方が異なります。「ス」(/s/)は舌先を歯ぐきに近づけて、すき間から息を出す音ですが、/θ/ は舌先を上下の前歯の間に軽くはさんで、そのすき間から息を出す音です。「舌先を上の歯の裏側に当てて出す」という部分が誤りです。

答え:誤りは「舌先を上の歯の裏側に当てて出す」という記述。正しくは「舌先を上下の前歯の間に軽くはさんで出す」。(無声音である、という点自体は正しい。)

例題3(応用)

問題

次の英文には、日本語話者が発音を混同しやすい子音のペアが含まれている。下線部の単語をそれぞれ発音記号で表し、意味が異なる理由を説明せよ。

He turned right and saw a bright light.(彼は右に曲がり、明るい光を見た。)

解答・解説を見る

この文には right /raɪt/ と light /laɪt/ という、/r//l/ の対立を含む単語が両方登場します。

right の /r/ は、舌先をどこにも触れさせずに口の中で軽く丸めて出す音です。light の /l/ は、舌先を上の歯ぐきにしっかりとつけて出す音です。この2つを区別せずに、日本語のラ行に近い音でまとめて発音してしまうと、聞き手には right なのか light なのか判断できなくなってしまいます。

答え:right /raɪt/(舌先を触れさせない /r/)、light /laɪt/(舌先を歯ぐきにつける /l/)。調音点(舌先の位置)の違いによって、別の単語になる。

確認問題

問題

次の2つの単語の発音記号を書き、発音上どこが異なるかを1文で説明せよ。

very / berry

答え

very /veri/、berry /beri/。very の /v/ は上の歯を下唇に当てて出す音、berry の /b/ は上下の唇を閉じてから開けて出す音で、調音点が異なる。