文法 / 関係詞

関係詞の非制限用法(継続用法)

要点整理

制限用法と非制限用法

これまで見てきた関係詞は、すべて先行詞に直接続けて、コンマを置かずに使われていました。これを制限用法と呼びます。制限用法では、関係詞節が先行詞の範囲を限定し、「〜という…」という意味を加えます。

I have two sons who work in Tokyo.(私には、東京で働いている息子が2人いる。)

この文では、who work in Tokyo という情報によって「(数いる息子のうち)東京で働いている」息子だけが話題になっている、というニュアンスがあります(実際には他に東京で働いていない息子がいる可能性を残します)。

これに対して、関係詞の前にコンマを置く使い方を非制限用法(継続用法)と呼びます。

I have two sons, who work in Tokyo.(私には息子が2人いるが、その2人は東京で働いている。)

この文では、「私には息子が2人いる」ということがまず述べられ、コンマ以下は「その2人はどちらも東京で働いている」という補足情報を付け加えているだけです。先行詞(息子2人)の範囲を限定するのではなく、すでに特定されている先行詞について説明を追加している点が制限用法との違いです。

訳し方のコツ:前から順番に訳す

非制限用法(継続用法)は、日本語に訳すときに「〜という…」ではなく、前から順番に「そして」「しかし」などでつないで訳すと自然になります。

He has a daughter, who is studying medicine in France. 制限用法のように訳すと「フランスで医学を学んでいる娘がいる」となりますが、非制限用法は「彼には娘が1人いて、その娘はフランスで医学を学んでいる」のように、前から情報を付け足すように訳すのが基本です。

whichの非制限用法は前の節全体を先行詞にできる

非制限用法の which には特別な使い方があります。1つの名詞だけでなく、前の文(節)全体の内容を先行詞として受けることができるのです。

He failed the exam again, which surprised his teacher.(彼はまた試験に落ちてしまい、そのことは彼の先生を驚かせた。)

ここでの which は、an exam のような1つの名詞ではなく、「彼がまた試験に落ちたこと」という文全体の内容を指しています。

thatは非制限用法に使えない

関係代名詞 that は、非制限用法(コンマをつける用法)では使うことができません。非制限用法にする場合は、who・which・whom などを使う必要があります。

誤り: I have two sons, that work in Tokyo. 正しい: I have two sons, who work in Tokyo.

関係副詞の非制限用法

関係副詞(where・when)にも非制限用法があります。where・whenの非制限用法は、先行詞についての補足説明を加えます(なお、why・howには非制限用法はほとんど用いられません)。

We visited Kyoto, where we saw many beautiful temples.(私たちは京都を訪れ、そこで多くの美しい寺を見た。)

I was born in 2008, when the financial crisis hit the world.(私は2008年に生まれたが、その年は世界的な金融危機が起こった年だった。)

例題

例題1(基本)

問題

次の2つの英文について、コンマの有無による意味の違いを日本語で説明せよ。

(1) The students who studied hard passed the exam. (2) The students, who studied hard, passed the exam.

解答・解説を見る

(1) 制限用法です。who studied hard が the students の範囲を限定しており、「(生徒の中で)一生懸命勉強した生徒たちが試験に合格した」という意味になります。裏を返せば、一生懸命勉強しなかった生徒は合格しなかった可能性を示唆します。

(2) 非制限用法です。The students という集団がすでに特定されており、who studied hard はその生徒たち全員についての補足情報です。「その生徒たちは試験に合格したが、彼らは(全員)一生懸命勉強していた」という意味になり、生徒全員が合格し、かつ全員が一生懸命勉強していたことを表します。

答え:(1) 一生懸命勉強した生徒(だけ)が合格したという意味(限定)。(2) 生徒たちは(全員)合格し、彼らは(全員)一生懸命勉強していたという意味(補足説明)。

例題2(標準)

問題

次の英文の空所に、whoまたはthatのうち適切な方を入れよ。理由も述べよ。

My grandfather, ( ) is now ninety years old, still enjoys gardening every morning.

解答・解説を見る

空所の前後にコンマがあることに注目します。コンマで挟まれているということは、この関係詞節は非制限用法(補足説明)です。that は非制限用法では使えないというルールがあるので、who を選ぶ必要があります。

答え:who(私の祖父は今90歳だが、今も毎朝ガーデニングを楽しんでいる。)

例題3(応用)

問題

次の日本語を、非制限用法のwhichを使って英語に直せ。「彼女は駅までずっと走ったが、そのことで彼女はとても疲れてしまった。」

解答・解説を見る

「そのこと」が指しているのは「彼女が駅までずっと走ったこと」という文全体の内容なので、1つの名詞ではなく前の節全体を先行詞にとる非制限用法の which を使います。「彼女をとても疲れさせた」は make + O + C(疲れた)を使って表します。

答え:She ran all the way to the station, which made her very tired.

確認問題

問題

次の英文が制限用法か非制限用法か答え、それぞれの意味の違いがわかるように日本語訳をつけよ。

This novel, which was written by a young author, has become very popular.

答え

非制限用法。「この小説は、若い作者によって書かれたのだが、とても人気になった。」(This novelという1冊の小説はすでに特定されており、which以下はその小説についての補足説明。)