読解 / 読解の基本技術
よくある間違い
間違い1: すべての文を同じスピードで精読しようとする
よくある誤答例
長文問題に取り組むとき、1文目から最後まで、辞書があれば引きたくなるほど丁寧に、同じスピードで読もうとしてしまう。
なぜ間違いなのか
試験の時間は限られています。すべての文を同じ密度で読んでいると、後半の設問を解く時間がなくなってしまいます。また、主題を問う設問であれば、細部まで精読する必要はそもそもありません。
正しい考え方
設問の種類に応じて、読み方の密度を変えましょう。主題・要旨を問う設問にはスキミング(段落の最初と最後に注目)、特定の情報を問う設問にはスキャニング(手がかりの語句を探す)を使い分けることで、時間を節約しながら正確に解答できます。
間違い2: トピックセンテンスは必ず段落の最初にあると思い込む
よくある誤答例
段落の最初の文を、確認せずに機械的にトピックセンテンスだと決めつけてしまう。
なぜ間違いなのか
トピックセンテンスは段落の最初に置かれることが最も多いのは事実ですが、常にそうとは限りません。具体例を先に並べ、最後に結論としてまとめる「末尾型」の段落もあります。
正しい考え方
「この文は、他の文と比べて一般的・抽象的な内容か、それとも具体的な内容か」を実際に確認しましょう。However や For these reasons のようなディスコースマーカーが段落の後半にある場合、そこにトピックセンテンス(まとめ)が来ている可能性を疑います。
間違い3: it や this が指す内容を、直前の1語にだけ探して決めつける
よくある誤答例
it の指す内容を、直前にある名詞1つだけを見て、単数・複数の一致を確認せずに決めてしまう。
なぜ間違いなのか
it や this が指すのは、直前の名詞1つとは限りません。前の文全体、あるいは前の2文の内容をまとめて指している場合もあります。また、単数・複数が一致していない候補を選んでしまうという初歩的なミスも起こりがちです。
正しい考え方
指示語を見つけたら、まず単数か複数かを確認し、候補を実際に指示語の位置に代入して文を読み直し、意味が自然に通るかどうかを必ずチェックしましょう。1語で意味が通らなければ、前の文全体を指している可能性を考えます。
間違い4: however と therefore の働きを混同する
よくある誤答例
howeverを見て「だから」、thereforeを見て「しかし」という意味だと勘違いして読み進めてしまう。
なぜ間違いなのか
however は対比・逆接(しかし)を、therefore は因果関係の結果(だから、その結果)を示します。この2つを取り違えると、前後の文の論理関係(反対の内容が来るのか、それとも結果が来るのか)をまったく逆に理解してしまいます。
正しい考え方
ディスコースマーカーは、機能別(対比・因果・例示・追加・言い換え)に整理して覚えましょう。特に however(対比)と therefore(因果)は、試験でも狙われやすい重要な対なので、意味と機能をセットで確実に覚えておく必要があります。
間違い5: 未知語が出てくるたびに読むのを完全に止めてしまう
よくある誤答例
知らない単語に出会うたびに立ち止まり、その1語の意味を確定させるまで先に進めなくなってしまう。
なぜ間違いなのか
すべての未知語の意味を100%正確に知る必要はありません。文章全体の大意をつかむためには、多少意味が曖昧なままでも読み進め、文脈から大まかな意味を推測できれば十分な場合がほとんどです。
正しい考え方
未知語に出会ったら、まず接頭辞・接尾辞などの語形を確認し、次に前後の文(言い換え、対比、因果関係)から意味を推測します。それでも意味がまったくつかめない場合は、いったん保留にして先を読み進め、文章全体の文脈から後で意味を補うという判断も必要です。
間違い6: 支持文の中の具体的な数字を、段落の主題だと勘違いする
よくある誤答例
段落の主題を問う設問で、本文中に出てきた印象的な数字や固有名詞をそのまま含む選択肢を選んでしまう。
なぜ間違いなのか
具体的な数字や固有名詞は、多くの場合トピックセンテンスではなく支持文(具体例・詳細)に含まれています。段落の主題は、それらの具体例をまとめた、より一般的な内容であることがほとんどです。
正しい考え方
主題を選ぶときは、「その選択肢は、段落中のすべての具体例を包み込めるくらい一般的な内容か」を確認しましょう。特定の数字や固有名詞だけに触れている選択肢は、多くの場合、段落の一部分にしか対応していない誤答です。
間違い7: one と it の使い分けを間違える
よくある誤答例
I lost my umbrella, so I bought a new one. のような文で、one を「(なくした)そのもの」を指すと誤解してしまう。
なぜ間違いなのか
it は「前に出てきたものと同一の、まさにそのもの」を指すのに対し、one は「前に出てきたものと同じ種類の、別のもの」を指します。この違いを混同すると、文の意味を正反対に取り違えてしまいます。
正しい考え方
it は「同一物」、one は「同種の別物」という違いを、具体例とセットで覚えましょう。lost my umbrella so I bought a new one であれば、なくした傘そのものではなく、新しい別の1本を買ったという意味になります。
間違い8: 段落と段落のつながりを無視して、1段落ずつ独立に読んでしまう
よくある誤答例
各段落の内容は理解できるが、段落同士がどうつながっているか(対比なのか、具体例の追加なのか)を意識せずに読み進めてしまう。
なぜ間違いなのか
長文全体の主題や、筆者の主張の流れを問う設問では、段落と段落の関係を把握していないと正しく答えられません。特に、段落の冒頭にあるディスコースマーカー(However, In addition など)は、前の段落との関係を示す重要な合図です。
正しい考え方
各段落を読み終えるたびに、次の段落の最初の1文(特にディスコースマーカー)に注目し、「前の段落と、これからの段落はどういう関係か」を意識しましょう。段落ごとの要点を線でつなげていくことで、文章全体の論理構造が見えてきます。