文法 / 特殊構文
強調構文(It is ... that ...)
要点整理
強調構文 は、文中のある1つの要素(主語・目的語・副詞句など)を、特に強く相手に伝えたいときに使う構文です。「It is [強調したい語句] that ...」という形をしており、日本語では「〜なのは…だ」「…なのは〜だ」と訳します。
強調構文の作り方
まず、強調したい語句が含まれていない普通の文を考えてみます。
Tom broke the window in the garden yesterday. (トムは昨日、庭でその窓を割った。)
この文の中の、主語・目的語・場所・時のいずれかを強調したいとき、その語句を It is ... that ... の間に挟み、残りをそのまま that節に続けます。
主語を強調:It was Tom that broke the window in the garden yesterday. (昨日、庭でその窓を割ったのはトムだった。)
目的語を強調:It was the window that Tom broke in the garden yesterday. (昨日、庭でトムが割ったのはその窓だった。)
場所を強調:It was in the garden that Tom broke the window yesterday. (昨日、トムがその窓を割ったのは庭でだった。)
時を強調:It was yesterday that Tom broke the window in the garden. (トムが庭でその窓を割ったのは昨日だった。)
強調構文の be動詞は、元の文の時制に合わせます(元の文が過去形なら was、現在形なら is)。強調する語句が「人」の場合、that の代わりに who を使うこともできます。
It was Tom who broke the window in the garden yesterday.
強調構文と形式主語構文の見分け方
強調構文は「It is ... that ...」という形をしていますが、この形は形式主語構文とも似ているため、見分け方を確実に身につける必要があります。形式主語構文とは、本来主語になるべき長い that節や to不定詞を後ろに回し、代わりに形式的な主語 it を文頭に立てる構文です。
It is important that we should protect the environment. (私たちが環境を守ることは重要だ。)
一見すると「It is ... that ...」という同じ形ですが、これは強調構文ではなく形式主語構文です。この違いを見分けるには、次のポイントを確認します。
見分け方1:It is 〜 that を取り除いて意味が通るか
強調構文の場合、It is [語句] that の部分を取り除いて残りをつなげると、強調する前の元の文がそのまま出てきます。
It was Tom that broke the window. → It is 〜 that を取り除くと Tom broke the window.(意味の通る完全な文)→ 強調構文
一方、形式主語構文の場合、It is の部分を取り除くと文が成立しなくなります。
It is important that we should protect the environment. → 取り除くと important that we should protect the environment となり、文として成立しない → 形式主語構文
見分け方2:that の位置に who / which を置き換えられるか
強調構文では、強調する語句が人であれば that を who に、ものであれば which に置き換えることができます。形式主語構文では、that を who や which に置き換えることはできません。
見分け方3:強調されている語句が「主語・目的語・副詞(句)」のいずれかであるか
強調構文で It is と that の間に置かれるのは、名詞(主語・目的語)や副詞句(時・場所・方法など)です。形式主語構文で It is の後に来るのは、通常、important・true・likely のような形容詞です。It is + 形容詞 + that ... という形を見たら、まず形式主語構文を疑いましょう。
例題
例題1(基本)
問題
次の英文の、強調されている語句(It is と that の間の語句)は何を表しているか(主語・目的語・場所・時のいずれか)を答え、日本語に訳せ。
It was in 1990 that this bridge was completed.
解答・解説を見る
It is と that の間にあるのは in 1990 という時を表す副詞句です。強調構文全体を「It is 〜 that を取り除く」と This bridge was completed in 1990.(この橋は1990年に完成した。)という完全な文が残ることからも、強調構文だと確認できます。
答え:時を強調している。訳:この橋が完成したのは1990年だった。
例題2(標準)
問題
次の2つの英文は、それぞれ強調構文・形式主語構文のどちらであるかを判断せよ。
(1) It is essential that students get enough sleep. (2) It was my brother that fixed my computer.
解答・解説を見る
(1) It is の後に essential という形容詞が続いています。essential を取り除いた後の部分だけでは文が成立せず、It is 〜 that を取り除いても that students get enough sleep という節だけが残り完結しません。これは真の主語(that節)を後ろに回した形式主語構文です。(学生が十分な睡眠を取ることは不可欠だ。)
(2) It is と that の間にあるのは my brother という名詞(人)で、It is 〜 that を取り除くと My brother fixed my computer.(私の兄がパソコンを直した。)という完全な文が残ります。また、that を who に置き換えることもできます。これは強調構文です。(私のパソコンを直したのは私の兄だった。)
答え:(1) 形式主語構文 (2) 強調構文
例題3(応用)
問題
次の英文の下線部を強調する強調構文に書き換えよ。
I met Ms. Green at the airport last Sunday.
解答・解説を見る
強調したい語句 Ms. Green(目的語)を It is と that の間に置き、残りの部分(I met 〜 at the airport last Sunday から Ms. Green を除いたもの)を that節として続けます。元の文が過去形なので、be動詞は was にします。
It was Ms. Green that I met at the airport last Sunday.
Ms. Green は人なので、that の代わりに who を使うこともできます。
It was Ms. Green who I met at the airport last Sunday.
答え:It was Ms. Green that (who) I met at the airport last Sunday.(この前の日曜日に空港で私が会ったのはグリーンさんだった。)
確認問題
問題
次の英文は強調構文・形式主語構文のどちらか答えよ。
It is surprising that he solved the problem so quickly.
答え
形式主語構文(It is の後に surprising という形容詞が続いており、It is 〜 that を取り除くと文が成立しないため。「彼がその問題をそんなに素早く解いたことは驚きだ。」)