文法 / 時制
現在完了形(継続・経験・完了・結果)
要点整理
現在完了形は「have/has+過去分詞」の形で表され、過去に起こったことを、現在の状態と結びつけて述べるときに使う時制です。単なる過去形(I lost my key.)が「過去の出来事」だけを述べるのに対して、現在完了形(I have lost my key.)は「過去に鍵をなくして、その結果、今も鍵がない」というように、過去と現在のつながりを表します。
現在完了形には、大きく分けて継続・経験・完了・結果という4つの用法があります。同じ「have+過去分詞」という形でも、一緒に使われる語句や文脈によって、どの用法なのかを見分ける必要があります。
① 継続用法:過去から現在までずっと続いている
過去のある時点から現在まで、状態や動作がずっと続いていることを表します。for(〜の間) や since(〜以来) という語句と一緒に使われるのが最大の目印です。
I have lived in this city for ten years.(私は10年間、この街に住んでいる。)
for ten years(10年間)という「期間」を表す語句があるので、継続用法だと判断できます。「10年前に住み始めて、今も住み続けている」ことを表しています。
She has known him since she was a child.(彼女は子供のころから彼を知っている。)
since she was a child(子供のころから)という「起点」を表す語句があるので、継続用法です。
② 経験用法:今までに〜したことがある
現在までの人生・期間の中で、あることを経験したことがあるかどうかを表します。ever(今までに)、never(一度も〜ない)、once/twice(1回/2回)、〜times(〜回) などの語句と一緒に使われることが多いです。
Have you ever visited Kyoto?(あなたは今までに京都を訪れたことがありますか。)
I have visited Kyoto twice.(私は京都を2回訪れたことがある。)
ever や twice という語句が、「経験の有無・回数」を尋ねたり答えたりしていることを示しています。
③ 完了用法:ちょうど〜したところだ
動作がちょうど今終わったばかりであることを表します。just(ちょうど)、already(すでに)、yet(もう/まだ、疑問文・否定文で使用) などの語句と一緒に使われることが多いです。
I have just finished my homework.(私はちょうど宿題を終えたところだ。)
Has she arrived yet?(彼女はもう到着しましたか。)
just や yet という語句が、「動作の完了のタイミング」に焦点を当てていることを示しています。
④ 結果用法:〜した(その結果、今は…である)
過去に起こった動作の結果が、現在の状態として残っていることを表します。継続用法・経験用法・完了用法のようなはっきりした目印になる語句がないことが多く、文脈から「過去の動作の影響が、今も続いている」ことを読み取る必要があります。
I have lost my key.(私は鍵をなくしてしまった〔その結果、今、鍵がない〕。)
She has gone to Canada.(彼女はカナダに行ってしまった〔その結果、今ここにいない〕。)
これらの文を、単なる過去形の I lost my key.(私は鍵をなくした)と比べると、過去形は「なくした」という過去の事実だけを述べているのに対し、現在完了形は「なくして、その結果、今も見つかっていない」という現在の状態までを含んでいる点が異なります。
4用法の見分け方をまとめる
| 用法 | よく使われる語句 | ポイント |
|---|---|---|
| 継続 | for, since | 期間・起点を表す語句がある |
| 経験 | ever, never, times | 経験の有無・回数を尋ねる/答える |
| 完了 | just, already, yet | 動作の完了のタイミングに焦点 |
| 結果 | (目印になる語句が少ない) | 過去の動作の影響が今も残っている |
現在完了形と一緒に使えない語句に注意
現在完了形は「現在」の時制の一種なので、yesterday(昨日)、last week(先週)、〜 ago(〜前に) のような、「過去のはっきりした一時点」を表す語句と一緒に使うことはできません。
誤:I have visited Kyoto yesterday. 正:I visited Kyoto yesterday.(私は昨日、京都を訪れた。)
yesterday は「過去のいつのことか」をピンポイントで指定する語句なので、現在とのつながりを表す現在完了形ではなく、単純な過去形を使う必要があります。
例題
例題1(基本)
問題
次の文が、継続・経験・完了・結果のどの用法か答えなさい。
- I have played the piano since I was five.
- He has already left the office.
解答・解説を見る
1. 継続用法
since I was five(5歳のときから)という「起点」を表す語句があるので、「5歳のときからずっとピアノを弾き続けている」という継続用法です。
2. 完了用法
already(すでに)という語句があるので、「彼はすでに事務所を出た(ちょうど出たところだ)」という完了用法です。
答え:1. 継続用法 2. 完了用法
例題2(標準)
問題
次の文が、継続・経験・完了・結果のどの用法か答えなさい。また、その根拠を説明しなさい。
- Have you ever eaten natto?
- My grandfather has passed away.
解答・解説を見る
1. 経験用法
ever(今までに)という語句は、「今までにそういう経験があるかどうか」を尋ねるときに使われる典型的な目印です。したがって「あなたは今までに納豆を食べたことがありますか」という経験を尋ねる文だとわかります。
2. 結果用法
この文には継続・経験・完了を示す明確な語句(for/since、ever/times、just/already/yet)がありません。pass away(亡くなる)という動作が過去に起こり、その結果として「(今)祖父はこの世にいない」という現在の状態が続いていることを表しているので、結果用法と判断します。
答え:1. 経験用法(ever が根拠) 2. 結果用法(明確な目印語句がなく、過去の動作の結果が現在の状態として残っている)
例題3(応用)
問題
次の日本語を、現在完了形を使って英語に直しなさい。また、その文がどの用法にあたるか答えなさい。
私は3回、この本を読んだことがある。
解答・解説を見る
「〜したことがある」という経験を、回数(3回)とともに表す文なので、経験用法の現在完了形を使います。
主語は I、動詞は read(読む)の過去分詞形(read は原形・過去形・過去分詞形がすべて同じつづりですが、発音は原形が/riːd/、過去形・過去分詞形は/red/になります)、回数を表す語句は three times(3回)です。
これらを組み立てると、次の文ができます。
I have read this book three times.
three times という回数を表す語句が、経験用法の典型的な目印になっています。
答え:I have read this book three times.(経験用法)
確認問題
問題
次の文が、継続・経験・完了・結果のどの用法か答えなさい。
She has just finished cooking dinner.
答え
完了用法(just が「ちょうど〜したところだ」という完了のタイミングを示す目印になっている)