文法 / 不定詞

不定詞の意味上の主語

要点整理

不定詞はもともと動詞から作られた語なので、「誰が」その動作をするのか、という意味上の主語を持っています。

I want to go to the concert.(私はそのコンサートに行きたい。)

この文では、to不定詞 to go の動作をするのは文の主語 I と同じなので、意味上の主語をあらためて示す必要はありません。しかし、不定詞の動作主が文の主語と異なる場合、不定詞の直前にその動作主を示さなければなりません。

It is ... for 人 to do

形式主語 it を使った文で、to不定詞の意味上の主語を示すときは、不定詞の直前に for + 目的格 を置くのが基本の形です。

It is important for students to read many books.(学生にとって多くの本を読むことは重要だ。)

for students が、「本を読む」という動作をするのは学生である、ということを示しています。

It was difficult for me to solve the last question.(私にとって最後の問題を解くのは難しかった。)

for me が、「解く」という動作の意味上の主語です。

It is ... of 人 to do(性質を表す形容詞のとき)

ただし、形容詞が kind, nice, careless, foolish, clever, stupid, rude, wise, honest, generous, thoughtful のように、人の性質・性格を評価する意味を持つ場合は、forではなく of + 目的格 を使います。

It was very kind of you to help me with my luggage.(荷物を手伝ってくれるとは、あなたはとても親切だった。)

It was foolish of him to believe such a story.(そんな話を信じるとは、彼は愚かだった。)

for と of の見分け方

forとofのどちらを使うか迷ったときは、「不定詞の意味上の主語を文全体の主語にした文」に書き換えられるかどうかを確認しましょう。

You are kind to help me with my luggage.(あなたは荷物を手伝ってくれて親切だ。)のように、人を主語にした文として意味が通る場合、その形容詞は人の性質を表しているので of を使います。一方、Students are important to read many books. は意味が通らないので、この importantfor を使う形容詞だと判断できます。

S+V+O+to doとの関係

want, tell, ask, allow, expect などの動詞では、「O+to do」という形でSVOCと似た構造を作り、Oがto不定詞の意味上の主語になります。この構造は5文型の応用として別の単元でくわしく学びますが、ここでは「目的語がそのままto不定詞の意味上の主語になる」という共通点を確認しておきましょう。

I want you to come to my birthday party.(私はあなたに私の誕生日パーティーに来てほしい。)

youto come の意味上の主語になっています。

例題

例題1(基本)

問題

次の英文の空所に、for か of の適切な方を入れよ。

(1) It is necessary ( ) children to sleep enough hours.

(2) It was very rude ( ) him to leave without saying goodbye.

解答・解説を見る

(1) necessary(必要な)は人の性質を表す形容詞ではなく、物事の性質を表す一般的な形容詞です。「Children are necessary to sleep enough hours.」とは言えないので、for を使います。

It is necessary for children to sleep enough hours.(子供たちにとって十分な睡眠時間をとることは必要だ。)

(2) rude(失礼な)は人の性格・態度を評価する形容詞です。「He is rude.」(彼は失礼だ)と人を主語にした文に書き換えられるので、of を使います。

It was very rude of him to leave without saying goodbye.(さようならも言わずに帰るとは、彼はとても失礼だった。)

答え:(1) for (2) of

例題2(標準)

問題

次の日本語を、It is/was ... for[of] ... to do の構文を使って英語にせよ。

私にとって毎朝6時に起きることは簡単ではない。

解答・解説を見る

「簡単ではない」は easy を否定した not easy で表します。easyは人の性質を表す形容詞ではなく、動作そのものの難しさを表す形容詞なので for を使います。形式主語 it を主語に置き、後ろに真の主語であるto不定詞を続けます。

It is not easy for me to get up at six every morning.

答え:It is not easy for me to get up at six every morning.

例題3(応用)

問題

次の2文の of と for の使い方の違いを、それぞれの形容詞の性質にふれながら説明せよ。

(1) It was clever of him to escape from the burning building so quickly.

(2) It was necessary for him to escape from the burning building immediately.

解答・解説を見る

(1) clever(賢い)は人の性質・能力を評価する形容詞です。「He is clever.」(彼は賢い)と、人を主語にした文に自然に書き換えられるため、of を使います。この文は、素早く逃げたという行動から、彼自身の賢さを評価しています。

(2) necessary(必要な)は人の性質ではなく、状況の性質を表す形容詞です。「He is necessary.」という人物評価の文にはならないため、for を使います。この文は、彼の性格ではなく、逃げるという行為が客観的に必要だったという状況を述べています。

同じ escape from the burning building(燃えている建物から逃げる)という行為でも、形容詞が人の性質を表すか、状況の性質を表すかによって of と for が使い分けられることを確認しましょう。

答え:(1) cleverは人の性質を評価する形容詞なのでofを使い、彼自身の賢さを評価している。 (2) necessaryは状況の性質を表す形容詞なのでforを使い、行為が客観的に必要だったことを述べている。

確認問題

問題

次の英文の空所に、for か of の適切な方を入れよ。

It was careless ( ) him to leave his wallet on the train.

答え

of(carelessは人の性質を表す形容詞のため)

It was careless of him to leave his wallet on the train.(電車に財布を置き忘れるとは、彼は不注意だった。)