文法 / 不定詞
原形不定詞(知覚動詞・使役動詞)
要点整理
これまで学んだto不定詞は「to+動詞の原形」の形でしたが、一部の動詞のあとでは to のつかない原形不定詞 が使われます。代表的なのが、知覚動詞と使役動詞のあとに続く「O+原形」という形です。
知覚動詞 + O + 原形「Oが~するのを見る/聞く/感じる」
see, watch, hear, listen to, feel, notice のような、感覚でとらえる意味を持つ動詞(知覚動詞)は、「O(目的語)が~するのを見る[聞く/感じる]」という意味を、O+動詞の原形の形で表します。
I saw him cross the street.(私は彼が通りを渡るのを見た。)
him が「渡る」という動作をする意味上の主語で、原形 cross がその動作を表しています。
She heard someone knock on the door.(彼女は誰かがドアをノックするのを聞いた。)
We felt the ground shake during the earthquake.(私たちは地震の間、地面が揺れるのを感じた。)
なお、動作の一部始終を見た場合は原形不定詞を、動作が進行している途中の様子を見た場合は現在分詞(-ing形)を使うという違いもあります(この対比は分詞の単元でくわしく学びます)。
I saw him cross the street.(彼が渡り終えるところまで見た、という意味) I saw him crossing the street.(彼が渡っている途中の様子を見た、という意味)
使役動詞 + O + 原形「Oに~させる」
make, have, let は「~させる」という意味を持つ代表的な使役動詞で、いずれもO+動詞の原形の形をとりますが、ニュアンスに違いがあります。
make + O + 原形(強制:~させる)
My mother made me clean my room before dinner.(母は夕食前に私に部屋を掃除させた。)
主語の意志によって、相手の意志に関係なく強制的に行わせる、というニュアンスです。
have + O + 原形(依頼・当然:してもらう/させる)
I had my brother fix my bike.(私は兄に自転車を直してもらった。)
対価を払ったり、頼んだりして「~してもらう」という意味や、立場上当然そうなるという意味を表します。
let + O + 原形(許可:~させてあげる)
Please let me know your answer by Friday.(金曜日までにあなたの答えを私に知らせてください。)
相手がしたいと思っていることを許可する、というニュアンスです。
要注意:get + O + to do(getは原形不定詞をとらない)
意味は使役動詞に似ていますが、get は原形不定詞ではなく to不定詞 をとる点に注意しましょう。
I got him to help me with my homework.(私は彼に頼んで宿題を手伝ってもらった。)
(×)I got him help me... という形は誤りです。
help + O + (to) 原形(どちらも可)
help は目的語のあとに、原形不定詞・to不定詞のどちらも続けることができます。
He helped me (to) carry the heavy boxes.(彼は私が重い箱を運ぶのを手伝ってくれた。)
日常会話では to を省略した原形の形がよく使われます。
例題
例題1(基本)
問題
次の英文の( )内の動詞を、必要があれば適切な形に変えよ。
(1) I saw a cat (climb) the tree yesterday.
(2) The teacher made the students (rewrite) their essays.
(3) My father let me (use) his car last weekend.
解答・解説を見る
(1) see(知覚動詞)+O+原形の形なので、原形のまま climb を使います。
I saw a cat climb the tree yesterday.(私は昨日、猫が木に登るのを見た。)
(2) make(使役動詞)+O+原形の形なので、原形のまま rewrite を使います。
The teacher made the students rewrite their essays.(先生は生徒たちに作文を書き直させた。)
(3) let(使役動詞)+O+原形の形なので、原形のまま use を使います。
My father let me use his car last weekend.(父は先週末、私に車を使わせてくれた。)
答え:(1) climb (2) rewrite (3) use
例題2(標準)
問題
次の日本語に合うように、英文を完成させよ。
彼女は自分のノートパソコンを(業者に頼んで)修理してもらった。 She ( ) her laptop ( ).
解答・解説を見る
「(人に頼んで)~してもらう」という意味は使役動詞 have で表します。have+O+原形の語順が基本ですが、この文ではOが「彼女のノートパソコン」という物であり、「ノートパソコンが修理される」という受け身の関係になっているので、原形ではなく過去分詞を使う点に注意が必要です(have+O+過去分詞)。
She had her laptop repaired.(彼女はノートパソコンを修理してもらった。)
「have+O+原形」が使えるのは、Oが自分の意志で動作をする人の場合だけです。Oが動作を「される」側の物である場合は、have+O+過去分詞を使います。
答え:She had her laptop repaired.
例題3(応用)
問題
次の英文には誤りが1か所ある。誤りを指摘し、正しい形に直せ。
I got my brother wash the dishes for me.
解答・解説を見る
get は意味こそ使役動詞に似ていますが、原形不定詞ではなくto不定詞をとる動詞です。get+O+原形という形は存在しないので、原形 wash の前に to を補う必要があります。
誤り:wash → 正しくは to wash
答え:I got my brother to wash the dishes for me.(私は弟に頼んで、私の代わりに皿を洗ってもらった。)
確認問題
問題
次の英文の( )内の動詞を、必要があれば適切な形に変えよ。
I heard someone (sing) a beautiful song in the next room.
答え
sing(知覚動詞hearのあとは原形不定詞)
I heard someone sing a beautiful song in the next room.(私は隣の部屋で誰かが美しい歌を歌うのを聞いた。)