語彙・イディオム

共通テスト対策

この科目の共通テストでの傾向

共通テストの英語(リーディング)では、単語の意味や熟語の用法だけを単独で問うような、いわゆる「文法・語彙問題」はほとんど出題されません。その代わり、案内文・広告・メール・SNSの投稿・物語文といった、実生活に近いさまざまな形式の英文の中で、単語や熟語の意味を文脈から正しく読み取る力が求められます。

特に、日常会話の定型表現(依頼・許可・提案など)は、対話形式の資料や、雑誌の相談コーナーのような形式の英文の中で自然に使われることが多く、発言者どうしの関係性や状況をふまえて、ふさわしい意味・応答を判断する必要があります。また、take, get, matter のように複数の意味を持つ基本語や、look forward to, in spite of のような熟語は、読解問題の文章のいたるところに登場します。これらを正確に理解できているかどうかが、1つの設問の正誤だけでなく、文章全体の理解度、ひいては読解全体の得点に直結します。

単語集を眺めて意味を丸暗記するだけでなく、実際の例文や文章の中でその単語・熟語がどのように使われているかを意識しながら学習することが、この分野の得点力を伸ばす一番の近道です。

単元別の対策ポイント

重要多義語

  • take, get, make, have のような基本動詞は、後ろに続く語の形(名詞・形容詞・to不定詞・過去分詞など)に注目して意味を判断する練習を積んでおきましょう。読解問題ではこれらの動詞が繰り返し登場するため、1つの意味だけで覚えていると、文章全体の意味を取り違えるおそれがあります。
  • matter, fine, right のように品詞が変化する語は、文中の位置(冠詞の直後か、助動詞の直後かなど)から先に品詞を判断する習慣をつけておくと、意味の絞り込みが速くなります。

熟語・イディオム

  • look after, give up, put off のような句動詞は、内容一致問題や下線部の言い換え問題で頻出です。単語だけでは意味が推測しにくいものが多いので、フレーズ単位でまとめて覚えておきましょう。
  • be interested in, be famous for のような形容詞+前置詞の熟語は、前置詞の後ろが動名詞になる点まで含めてセットで覚えておくと、文法的に紛らわしい選択肢にも対応しやすくなります。
  • as soon as, in order to, so that のようなつなぎの表現は、文章の論理展開(理由・目的・対比など)を把握する手がかりになります。意味のカテゴリーごとに整理しておきましょう。

会話表現

  • 共通テストのリーディングでは、メッセージのやり取りやメールなど、対話形式の資料が頻出します。Could you ...? と Can you ...? のような丁寧さの違いを理解しておくと、話し手どうしの関係性(親しい友人か、目上の人かなど)を正確に読み取る手がかりになります。
  • Would you mind ...? のように、答え方の極性(Yes/No)が日本語の感覚と逆になる表現は、対話の流れを誤って理解する原因になりやすいので、特に注意して復習しておきましょう。
  • 電話・買い物などの場面特有の表現は、そのまま出題されるだけでなく、資料(店の張り紙や注文フォームなど)の内容と結びつけて出題されることもあります。場面ごとにまとめて覚えておくと安心です。

実戦問題

共通テスト形式の問題を解いて、実戦力を確認してみましょう。

実戦問題1

問題

次の英文の空所に入れるのに最も適切なものを、後の①~④のうちから一つ選べ。

The heavy fog ( ) it very difficult for the pilot to land the plane safely.

① took ② made ③ had ④ held

解答・解説を見る

空所の後ろには it very difficult for the pilot to land the plane safely という形が続いています。これは「it(形式目的語)+ difficult(形容詞)+ for 人 + to do」という形で、「(人が)するのを difficult(の状態)にする」という意味のまとまりです。「Oをの状態にする」という意味を表せるのは make + O + C の形なので、②が適切です。文全体は「濃い霧のせいで、パイロットが安全に飛行機を着陸させるのが非常に難しくなった」という意味になります。

①「(時間が)かかる」の take や③「持っている」の have、④「持つ・保持する」の hold は、いずれも後ろに形容詞+for+to不定詞という形をとる用法がないため、この空所には合いません。

答え:②

実戦問題2

問題

次の対話文の空所に入れるのに最も適切なものを、後の①~④のうちから一つ選べ。

A: I've never used this printer before. Could you show me how it works? B: ( ) I'll walk you through it step by step.

① Sure, no problem. ② I'm afraid you have the wrong number. ③ Would you mind? ④ Not at all, I'd rather not.

解答・解説を見る

Aは「このプリンターを使うのは初めてなので、使い方を見せてもらえますか」と依頼しています。Bの発言の後半は I'll walk you through it step by step.(手順を1つずつ説明しますね)という、依頼を快く引き受ける内容になっているので、空所には依頼を快諾する表現が入ると分かります。①の Sure, no problem.(もちろん、いいですよ)がこの流れに自然につながります。

②は電話で使う表現なのでこの場面に合いません。③はそれ自体が新たな依頼の疑問文であり、後ろの I'll walk you through it とかみ合いません。④は Not at all のあとに I'd rather not(むしろしたくない)と矛盾する内容が続いており、不自然です。

答え:①

実戦問題3

問題

次の英文の空所に入れるのに最も適切なものを、後の①~④のうちから一つ選べ。

Many students find it hard to ( ) with the rapid pace of change in technology, so schools are now teaching digital skills from an early age.

① do away ② keep up ③ look down ④ put up

解答・解説を見る

空所の直後に with the rapid pace of change in technology(技術の急速な変化のスピード)という語句が続いています。「~に遅れずについていく」という意味の熟語 keep up with がこの文脈に合います。文全体は「多くの生徒が、技術の急速な変化についていくのを難しいと感じているため、学校では今、幼いうちからデジタルスキルを教えている」という意味になります。

①「do away with(廃止する)」、③「look down on(見下す)」、④「put up with(我慢する)」は、いずれも with を伴う3語の句動詞ですが、意味がこの文脈に合いません。

答え:②